株式投資を行う際には、業績や株価の動向だけでなく、市場のトレンドやマクロ経済の影響も無視できません。
特に、企業価値に対して株価が大きく下がりすぎている銘柄に注目することは重要です。
1. inex(証券コード1605)
inexは原油と天然ガスの生産を主な事業としている日本企業で、日経平均株価にも採用されている大型の高配当株です。
原油価格と為替レートに強く依存しており、特にWTI原油先物価格が業績の鍵となっています。
4月の原油価格が1バレル85ドルを超えていたのに対し、8月から9月にかけて急落し、1バレル68ドルまで下がったことが指摘されています。この原油価格の下落は、inexの株価下落を引き起こしている主な要因の一つです。
inexの業績影響要因
原油価格の下落: 原油価格が下がると、inexの売上に直結し、利益が減少します。
為替レートの円高進行: 円高になると、inexは利益が減少する傾向があります。1ドルの円高で24億円の減益効果があり、原油価格が1ドル下がると60億円の減益効果があります。
しかし、inexは業績回復のために配当金を増額し、株主に還元する姿勢を示しています。さらに、最大800億円の自社株買いを発表し、株価の下支えを図っています。
2. Teraland(証券コード4661)
Teralandは、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの株主優待銘柄として知られています。
しかし、最近の株価は下落傾向にあり、猛暑による来園者数の減少や、クルーズ事業の不透明性が影響しています。
オリエンタルランドは約3300億円を投じて新たなクルーズ船を建造し、2028年度に就航する予定です。
しかし、このクルーズ事業は、成功の見通しが不透明であり、特に家族での利用に対してコストが高いため、リピーターの獲得が難しいとの懸念もあります。
ディズニーリゾートのリピーターが多い一方で、クルーズ事業が同じ成功を収めるかは未知数です。
Teralandの業績影響要因
猛暑による来園者数の減少
夏場の猛暑がディズニーリゾートへの来園者減少を引き起こし、業績に影響を与えました。
クルーズ事業の不透明性: 新規事業であるクルーズが成功するかは不透明で、株価に対する不安材料となっています。
まとめ
inexとTeralandは、いずれも市場環境や業績に影響を受けていますが、それぞれの企業は株主に対して還元を強化する取り組みを行っています。
特に、inexは配当金を増額し、自社株買いを発表していることから、今後の株価回復の可能性が期待されます。
Teralandに関しても、ディズニーリゾートという強力なブランド力を持ちながらも、新規事業での成功がカギとなるでしょう。
このように、売られすぎと感じられる銘柄に注目し、長期的な成長可能性を見据えた投資判断が重要です。
資産運用総合研究所
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